ああ、眠い。
田舎の農作業小屋のようなところで、
吉田拓郎が弾き語りをしてる夢を見ました。
お客さんは10人もいないんですけど、
田んぼのあぜ道とかに体育座りをしてポツポツ聴いています。
さすが有名なアーティストは、人も場所も関係なく、
催したらいつでもどこでも、うたわはんにゃなあ
とぼくは感心してました。
それに雨が降ってきて、しかも土砂降りになっても、
吉田拓郎はやめないんです。
あまつさえ小屋を出て田んぼの真ん中でうたう始末です。
あああ、ギターがずぶぬれでも弾いてはる。
もったいないなあ、傷んでしまうやん
とぼくは心配してます。
居合わせたお客さんと、
あのギターはどこのなんていうギターやろと
あてっこしたりしながら。
そのうち別のミュージシャン数人がやってきて、
演奏に加わろうとします。
キーボードがあればよかったのにとか言いながら。
ぼくは急に興味を失って、裏の土手のようなところに、
不安定なはしごを使って登っていきました。
10メートル近い高みへ。
なんとか登りきると、上がってきた人へのご褒美なのか、
小さな手提げの紙袋をもらいました。
まだ体が不安定だったので、上にいた小学生が
代わりに受け取ってくれたのはいいけど、
中にあったお茶を勝手に飲んでしまいます。
おいおい、なんでやなあ
と文句を言いつつ、登り切ったその先を見たら、
大地は洪水に呑み込まれたように消え失せて、
ところどころ樹木が水面から先端をのぞかせています。
こっから先、どこに行けばええんやろ……
途方に暮れたぼくが目を覚ますと、
窓の外は雨でした。