うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

歌がうまいということ

歌がうまいは七難隠す

ってのはぼくの持論なんですけどね。

歌が上手な人はギターなんて下手でも

お客さんの心をぐいっとつかんでしまえます。

 

歌がうまいって、どういうことなんでしょう。

朝ドラ「スカーレット」で流れるSuperflyの歌、上手です。

この歌詞のこのフレーズで強弱をつけて、

ここは力を抜いて、ここは声を張って、

というふうに、その言葉にふさわしいニュアンスを歌に込めます。

表現力が豊かってことですね。

微妙にアクセントをずらしたり速めたりすることで、

歌にリズムをつくり出します。

それは技術的にうまいというのにプラスアルファ、

緻密に歌を組み立ててうたっているように感じます。

歌を読み込む力、歌詞の解釈の力……等々、

喉の力に加えて知的ななにかがあるってことなんでしょう。

なので選曲やアレンジのセンスも「うまさ」に含まれます。

音楽的教養も含めてその人の個性がいかに歌に反映されているかが

最終的には大事だと思います。

 

一方で、歌がうまい人は自分の歌に酔う傾向があって、

その慢心が聴く人を置き去りにすることがあります。

技巧派のうたい手に、そういうのを感じます。

やたら装飾音符が多いうたい方とか、クセのありすぎるうたい方とか。

もっと歌に対して謙虚で、伝えるべき歌の心をもっている、

そういう、うたい手が好きですね。

そしてほんとうに歌のうまい人が、心の底から、

うたったときは、その歌の魂に触れた感じがします。

そういうときの伝わり方って、歌はすごいって思います。

 

てことで、このYouTubeです。

歌がうまいっちゅうのはこういう人なんでしょうねえ。

そして、いいカバーってこういうのをいうんですねえ。

www.youtube.com

 

英語を聴き取る力がなくてくやしいのですが、

彼はいっぱい苦労してきて、この場に立ったようですね。

演奏は2分ごろから始まります。

見た目もむさくるしいこのスウェーデン人男性は、

コンテスト番組の聴衆と審査員を虜にしています。

(リアクションがちょいオーバーかな)

シンプルなギターに乗せて、独自の表現をしています。

元歌の良さを称えつつ、その良さを最大化する自分らしい歌の表現。

これが音楽を創るってことなんですよねえ。

歌のうまさとはなにかを考えさせてくれるYouTubeでした。