これね、伝声管て書いてありますね。
先に書いた有島武郎の家にあったものです。
部屋と部屋をつないだ、さしづめ糸電話
客間と奥の部屋をつないでありました。
管は地下を通っていてね。
この取っ手を抜いて、部屋同士で話ができるんです。
話があるとき合図を送る方法は、どちらかが取っ手はずして
管の中にフーと息を吐くんです。
すると、取っ手がはまったままの部屋にブーと響いて
部屋にいるものが取っ手をとって穴に耳をつけて、話を聞くって
仕掛けです。
何メートルも離れてないのにこんなのつけるって
なんだか楽しいですよね。
私も試して、ブーっと吹くと確かに聞こえたようです。
旦那が吹くと綺麗な音がしてね、吹き方によって誰だかわかったでしょうね。
嫌なお客さんの時は、変な音で吹いて合図したかもなんて、
そんなことを思った有島邸でした。