うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

リアとラリア

今年は日本とオーストリアが国交を始めて150年なんだそうです。

それで、

「物語オーストリアの歴史」

なんて本を拾い読みしてます。

 

オーストリアというと、オーストラリアと国名が似てて、

ややこしいなあってくらいのイメージしかないんですけど、

これって、間違えやすいのは日本人だけじゃないんですね。

こんな書き出しで始まってるんです。

ヨーロッパ屈指の観光都市ウィーンで、ここ10年あまり、

静かな話題を呼び続けるアイテムがある。

いわゆる「ご当地Tシャツ」で、

「野生動物飛び出し注意」の警戒標識を思わせる

黄色の菱形のなかにカンガルーのシルエッ卜を配し、

オーストリアにカンガルーはいない」という句を添えている。

オーストリア」という国名が、あまりにもしばしば、

地球の反対側に位置する「オーストラリア」と間違えられ、

混同されることへの苛立ちを自嘲した、

少しばかりブラックなジョークにほかならない。

 

オーストリアとオーストラリアって、世界的にまぎらわしいんや。

それでもヨーロッパでは発音が違うから区別できるんだと思ってました。

百科事典には、

オーストリア」は英語による名称で、

オーストリアではエスターライヒという。

と書いてあるので、英語読みする人が間違いやすいってことですね。

ウィキペディアには、

国名の Österreich は、ドイツ語で「東の国」という意味である。

一方、オーストラリアは、

国名の由来はラテン語で「南の地」を意味する terra australis で、

これはヨーロッパにおける伝説上の大陸、

テラ・アウストラリス・インコグニタ

ラテン語 : Terra Australis Incognita)のことを指してる。

ということで、オーストリアはドイツから見て東、

オーストラリアはヨーロッパから見て南ってことなんでしょう。

 

 オーストリアの歴史は複雑で覚えきれません。

かつてハプスブルク帝国だったんですよね。

広大な領域を持つ多民族国家だったそうで、

ネーデルラント(現在のベルギー、オランダ、ルクセンブルク)、

スペイン、南イタリアナポリシチリア)、ハンガリー

ボヘミアに及ぶ空前の領土をヨーロッパ大陸に持ったのみならず、

スペイン領の新大陸やフィリピンなどの海外領土も支配した。

とのこと。

 

それが第一次大戦で敗れて、オーストリアというのは、

諸民族国家が分離独立したのちに残された、

ドイツ語話者とドイツ系民族の居住地域にほかならなかった。

その後、ナチスドイツによる併呑、連合国軍による分割統治があって、

現在に至るわけですけれど、ドイツ系民族中心だったなら、

じゃあなんでドイツといっしょにならなかったのかというと、

第二次大戦後の1955年5月、占領国のアメリカ、イギリス、フランス、

ソ連の4か国とオーストリアとによって締結された

オーストリア国家条約」によって、主権・独立を回復し、

ドイツとの合併やナチズムおよび軍国主義を禁止し、人権尊重を誓約した。

ってことですね。

ドイツがオーストリアと一つになって再び強国になることを

ほかの国々は恐れたんでしょうか。

 

こういう成り立ちがあるので、

「自分はオーストリア人であると思う」と答える人がいまだ五割程度

なんだそうです。

古くから単一民族としての「オーストリア人」という概念が

存在しなかった

ってことのようなんです。

島国でずっと来た日本人とは大違いですねえ。