うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

エデンの東から贈る言葉

朝日放送の教養バラエティ番組

ビーバップ!ハイヒールが好きなんです。

毎週録画していて、見切れないから、

何十本もHDDにたまってます。

で、先週ぶんの録画を見ていたら、

「ビーバップ名作ドラマSP」と題して、

海援隊贈る言葉誕生秘話をやってたんです。

 

まず、ほーっと思ったのが、

海援隊母に捧げるバラード(1974)でヒットを飛ばし、

紅白歌合戦にまで出たのに、その後は鳴かず飛ばずで、

翌年の紅白の夜、武田鉄矢は夫婦で、

飲食店の皿洗いをやっていたそうなんです。

1曲大ヒットして、紅白に出たとしても、

バンドで食べていくって難しいんですね。

芥川賞を取っても2作目以降が難しい作家と似てます。

 

で、贈る言葉の話ですが、

仕事なくて2年ほどたった頃、夜に突然電話がかかってきます。

「山田」と名乗るその人は、なんと山田洋次監督でした。

映画への出演依頼です。

監督自ら直電するってのも意外でした。

それが高倉健主演の幸福の黄色いハンカチ(1977)。

ここぞとばかり名演技を披露した武田鉄矢は、

あの3年B組金八先生(1979)の主役に抜擢され、

そのときにドラマの主題歌づくりも依頼されます。

 

しかし、なかなか歌詞が書けません。

そんなときメンバーの千葉和臣が曲を先にあげてきました。

いいメロディーだけど、どっかで聴いたことあるな

武田鉄矢

実はエデンの東のテーマなんだというんですね。

たまたまラジオで流れていたのに誘発されて作曲したとのこと。

これもまた意外でした。

贈る言葉」からは「エデンの東」は思いつかなかったけど、

続けて聴いてみると、

ああなるほど! って感じです。

エデンの東」で主役を演じたジェームス・ディーンの姿に、

すべてを捨てて旅立つ男=”さよならの化身”を

感じ取った武田鉄矢は、過去の女性との悲しい別れの体験から、

贈る言葉」の歌詞を書いたといいます。

 

ところが、この曲、番組プロデューサーからは

ドラマに合ってない

って言われるんですね。

いまでこそ卒業ソングの定番のイメージがありますが、

歌詞を素直に聴くと失恋ソングだからです。

だけど私ほどあなたのことを深く愛したヤツはいない

というフレーズ、確かに卒業式にピッタリとはいえません。

生徒に贈る言葉じゃなく彼女に贈る言葉なんですから。

でもクランクインも始まって書き直しの時間がないことから採用され、

ドラマのヒットに合わせて主題歌も大ヒットしたということです。

この曲で海援隊紅白歌合戦に6年ぶりにカムバックしたそうです。

めでたしめでたし。

 

海援隊ってあんまり聴いたことがなかったんですが、

一度、ドラえもん映画の挿入歌を聴いていて、

なかなかいいメロディーだなと思った記憶があります。

武田鉄矢は確かに強烈なキャラクターで素晴らしい作詞家ですが、

優れたメロディーメーカーがいたから成功したのだと思いたいですね。