三条通り、イノダのちょっと東に、理科実験の道具屋さんがあるんです。
前にここで、シャーレ―を買ったこと書いたけど。
誰も記憶にないでしょうね。
先日、前をとおりがかったら
2リットルの計量カップが目にはいりました。
店のなかには、おじいちゃんがカートを引いて立ってはりました。
このおじいちゃん、しっかりしたはるんです。
でも足が悪くってね。
前にシャーレ―を買ったときも、
「あんた、そこにある新聞紙で適当に包んで帰ってんか」
てな調子でね。
その時、有名な料理やのお兄さんがビーカーを三つ買いにきはったんですけど、
注文してはったらしく、おじいちゃんはちゃんと覚えてはって
のんびりと、ほんまにゆっくりゆっくりビーカーを持ってきはってね
じっくりと待たはるんです。
そして、渡されてビーカーをそこいらにある、紙袋やいわゆるごみになってる
紙で包んで帰らはったんです。
このお店の仕様と言うか風情が気に入ってた私は、1リットルの計量カップが
欲しかったので、お店にはいって、おじいちゃんに訊ねてみました。
「500はある、これやな60円 2リットルはこれ380円」
と答えてくれはりました。
「透き通ったのと白色は素材が違うからな、白い方が値が安い」
と解説がありました。
「あのう1リットルが欲しいんですけど」
と、も一度言うと
「あるけど100個や」ですって!
1リットルの計量カップを100個も、どないしますのん。
と思わず笑ってしまったんですけどね。
おマメさんを炊くときに1.2リットルをはかるのに
200の計量カップで6回。1杯 2杯と入れて行って、
何杯目やったかいつも不安になるので、写真の500と2リットルを買うことにしました。
じゃ、これとこれと言うと
おじいちゃんは「380円」と言わはって、えらい負けてくれはって。
そこらにあった、永楽屋の紙袋に入れて持ってかえってきました。
帰って、調べてみると百均に1リットルの計量カップがあるようです。500もね。
でもね、あの理科実験道具屋さんでお買い物をしたかったんです。
スポイトもフラスコもアルコールランプも、なつかしい。
理科室って言葉もなにやら嬉しい。
おじいちゃん、上品な人でね。堂々としたはるんです。
また、買いに寄せてもらいます。
そうや、今度は温度計を買いに寄せもらお。