うめはらなかせはアイコンタクトをしないバンドです。
演奏中は歌詞カードを見ていて、
互いに目を合わせることはしません。
しなくても息が合うってわけではないんですけど、
もう伝統的にそうなんですね。
だから、なかせさんの顔色がひどく悪くても気がつきません。
それでとくに不便はないのですが、
オーケストラは指揮者を見ないわけにはいきませんよね。
と思ってたら、指揮者を見ないオーケストラがあるんですって。
演奏者全員が客席を向いてるんです。
デア・リング東京オーケストラがそれ。
朝日新聞の「文化・文芸欄」に紹介がありました。
これまでオーケストラの奏者はまわりの音を十分に聴かず、
ハーモニーをつくり出せていないと感じていた主宰者が、
この方法を採り入れたんだそうです。
この楽団のルールは次のようなものです。
・奏者の自発性を引き出すためアイコンタクトを禁止
・ボーイング(弓の上げ下げ)はそろえない
・コンマスや首席は固定せず交代制にする
・演奏者の並び方は曲によって変える
だれかの指示を気にするあまり
耳がお留守になることを避けるためなんでしょうね。
弦がまとまり、音がイメージしやすくなった。
耳が開いて全体が聴こえ、肩の力が抜けて楽に弾けた。
というのが楽団員の感想です。
以下、紹介サイトからの引用です。
「音楽は、とにかく聴くことが大切だと思います。
指揮者を見てそのタクトに合わせて
みんなと同じ演奏をするのではなく、
自分の音がホールにどのように響いていくかを
注意深く聴くことが重要なんです。
ホールをひとつの楽器としてとらえ、
ホール全体に音楽が響いていく空間力を意識する。
そこでひとりひとりの演奏者が音楽を作っていくわけです。
ホールの空間力と演奏者の空間力が一致したときに、
すばらしい音楽が生まれ、指揮者もオーケストラも聴衆も
幸せな瞬間が生まれることになるわけです。
一見、バラバラに見える演奏でも、この空間力が一致したときには、
えもいわれぬまとまりに満ちたすばらしい音楽が誕生します」
ただ指揮者を見ない演奏は曲により向き不向きがあるとのこと。
構造が複雑で大編成の曲は合わせるのが難しく、
お勧めはモーツアルトなんだそうです。
このオーケストラの生演奏って、
CD付きで4800円なんだとか。
なんかお得な感じしますねえ。