うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

この道

昨日の夕刊の記事で知りました。

ザ・フォーク・クルセダーズ

はしだのりひこさん死去

という見出しでした。

 

昨日は古いアルバムをしばらく聴いていました。

はしだのりひことクライマックス

はしだのりひことクライマックス結成コンサート実況版

これ、ライブアルバムなので、4人だけの演奏です。

「花嫁」のほかに、あの箕岡さんもおられた

マヨネーズ時代の楽曲も入っていて、

ギター、ベース、歌、ハモ、すべてが最高です。

「デイドリーム・ビリーヴァー」

をカバーするなんて当時はおしゃれでした。

ほんとに充実して意気盛んなクライマックスなんです。

 

残念ながら「忘れられないの」の1曲だけ

傷がついていて聴けません。

友人の千田君に貸してあげたらこんなになってしまって。

(でも返ってきただけありがたいと思わなければ)

 

その千田君ははしださん(今回はさんづけで)を、

「のりちゃん」と呼ぶくらい親密な関係のようでした。

(後に千田君はエンドレスに加わります。バンドの集合写真を見せてもらいました)

 

大学時代、千田君に「のりちゃんが来はるさかいに」と言われて、

野玉君というバンドメンバーと3人で、

三条通りにあるクリーニング店に行きました。

あの尾崎さんに楽曲を提供していたシンガーソングライターの実家だったみたい。

この人はいまでいうイケメンでした。

そこに、はしださんがタンクトップ姿でふらりと来られて、

「おぅ、お前ら、バンドやってんにゃったら聴かせてみぃ」

なんて言われて、すごく緊張しながらハモった思い出があります。

「お前ら、声そっくりやなあ、どっちがどっちかわからんで」

の一言に、ほめてもらったわけでもないのに感激したものです。

 

そのはしださん、まずはボーカリストとして大好きでした。

ハイパーテナーでしたね。

「花嫁」は女性歌なのにキーがAで低めなんですけど、

これははしださんが高音のサビをうたうためなんじゃないかと思います。

フォークルでは加藤和彦のふんわりトーンにはしださんの歌唱力が加わって、

歌に説得力が増しました。

うたい方は個性的で、ときに独特の抑揚があざとく聴こえますが、

それが嫌味ではなくて、いい味になっていました。

「コキリコの唄」なんて、

あの情緒を醸し出せる歌い手って、ほかにいるでしょうか。

 

そのボーカルの味付けでつくられた楽曲もまた個性的で、

数々の名曲を生み出したソングライターでもありました。

いま「この道」を聴いています。

これぞ日本フォークといえる、せつなくも懐かしいメロディー。

それがはしだ節の名調子で奏でられます。

 

72歳、ほんとうに早い旅立ちでした。

♪ 今日もまたひとりふたり 若者が歩いてゆく
♪ 雪解けの川に沿って 北国に 続くよ