ぼくのようなライターの世界でも派遣の編集者が増えてきました。
昔はライターと編集者は戦友みたいなもんで、
地獄の底までいっしょという仲だったんですけど、
この頃はシーズンごとに編集者が変わるので、
人間関係も希薄になってきました。
正確には「派遣」とは別なのでしょうが、
オーケストラに演奏家を手配する仕事があるんですってね。
つい先月、その「手配師」が脱税容疑で告発された
というニュースがありました。
記事によると、オーケストラには、メンバーが常駐せず、
コンサートごとにプロの演奏家が集まって編成される
「イベント型」というのがあるそうです。
普段はプロのオーケストラに所属していて、
休みの日や公演がないときにバイトのようなかたちで、
イベント型オーケストラに参加する楽団員がいるってことですね。
お医者さんの世界にも似たケースがあります。
こういうイベント型オーケストラに演奏家を手配する仕事が、
今回告発されたわけで、もちろん納税さえしていれば
なんの問題もありません。
指揮者がだれか、演奏曲はなにかといった音楽的な事情を勘案して、
だれをどこから招くか、声をかけるかを考える、
「業界通」にしかできない仕事だといえるでしょう。
ぼくが驚いたのはその報酬です。
くだんの手配師は徳島県が設立した「とくしま記念オーケストラ」に
演奏家を手配していたそうですが、
年間の事業費1億7000万円のなかから、
数千万円が手数料として支払われていたというのです。
(告発内容としては所得1億3000万円で脱税額は3000万円)
このご時世に、けっこうな儲けじゃないでしょうか。
おそらくは手配される楽団員よりは何倍も裕福なんじゃないでしょか。
でもこういう特殊能力を備えた人がいるからこそ、
クラシックコンサートが成り立っているのですねえ。
我がアマチュアフォーク業界にもこういう人がいて、
小遣い稼ぎになる仕事に「派遣」してくれないかなあ。
Nさん、たのんます!
あ、マンガさんでもいいや。