うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

波乃光子の裁判

明るいニュースが乏しいなか、

一瞬光が射したように感じました。

京大の先生が、現代数学で最も難解だという

「ABC予想」を証明したんですってね。

京都人にはとくにうれしいニュースです。

(証明した望月新一教授は東京生まれですが、そこはスルー)

新型コロナのことがなければもっと大々的に報じられたでしょう。

 

しかし、これ、すごいすごいっていいますけど、

どうすごいのか、まったく理解できません。

なんせぼく、高校数学がチンプンカンプンでしたから。

 だからというか、だからこそというか、

 科学にはとっても憧れがあって、学生時代に、

こんな本を買っていました。

それから30年以上がたって、いまやっと、

薄っぺらな文庫本だというので高をくくって読み始めたわけです。

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著者は、1965年にノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎

「超多時間理論」「くりこみ理論」の発見による「量子電磁力学の進展」

によって受賞したそうです。

この受賞理由がすでにぼくには意味不明です。

ところが、

先生は非常に専門的で講演な内容を極めて平易な言葉で

専門外の人々にも分かりやすく語られることの名手でもあられる。

という「解説」の言葉を信用して買ったのだと思います。

 

原子の研究が急速な進歩を始めた19世紀末、

原子は小さいだけで本質的には米粒などと変わらないもので、

古典的な物理の法則に従って行動すると考えられていました。

ところが20世紀に入って、それまで波だと思っていた光が

粒子のように振る舞う現象や、粒子だと思っていた電子が、

波のように振舞っていることを示す現象が発見されます。

 

光や電子は波なのか粒子なのか。

それまでの物理の常識から外れた粒子の動きを、

著者は「光子の裁判」という

光を擬人化した裁判劇で説明しようとします。

 

被告の「波乃光子」が二つの窓から同時にしのび込むことが

できたとする弁護士と、その非常識な論理に合理的な疑義を挟む検察官。

両者の息づまる論戦が繰り広げられます。

はたして……

 

はたして、その擬人化された量子力学の解説を

このぼくが理解できたかというと、

全然だめでした。

あ~~、しんど。