うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

ピカード、再び

昨日、「スタートレックピカード」の最終回を見てしまいました。

始まったときからワクワクして見てたわけです。

なんの知識もない人が見ても面白いとは思うけど、

やはり前から見続けている者にとっては、

懐かしい顔が次々出てくるのがうれしいんです。 

さながらスタートレック同窓会って感じ。

 

主役のピカードは劇中では94歳の設定で、

演じている本人は79歳とありました。

 元気ですねえ。

このエピソードの年代は2399年かそれ以降だそうで、

24世紀になっても、ハゲをふさふさに変える特効薬はない

ってことがピカードの頭を見るとわかります。

その時代にはハゲを気にする風潮もないのかもしれませんが。

 

でも加齢を遅らす技術もないのはちょっと納得いきません。

新スタートレック」ではとっても魅力的な美人カウンセラー、

ディアナ・トロイが太ったおばあさんになってたのは残念。

逆に夫のライカー副長は堂々たる押し出しで、

宇宙大作戦」の名艦長、キャプテンカークを彷彿とさせます。

出色なのは元ボーグのセブン・オブ・ナイン。

この人が登場したときは声を上げました。

まだまだ色気あります。

調べたら52歳でした。

現役やん!

 

スタートレックはそのときどきの社会問題を、

うまくストーリーに組み込んでいます。

たとえばボーグという機械生命が、

新スタートレック」「スタートレック:ヴォイジャー

に出てきます。

ボーグは多様な文化、技術を吸収し、同化してしまう機械生命の集合体で、

これは世界が「グローバル化」していく現象を

SF的事物に具体化したものだと思うんですね。 

集合体から離れて行動する個体を「ドローン」というのですが、

この言葉を耳にしたのは、スタートレックが初めてだったと思います。

 

そして最新作「スタートレックピカード」では

「シンス」と呼ばれる人工生命体が登場します。

アンドロイドはこれまでにも出てくるのですが、

今回は人類(有機体)に対する脅威として現れます。

この人工生命体を壊滅させようと策謀するロミュラン星人に、

現代の人類の恐怖感が仮託されているのでしょう。

いま話題のAIが進化し尽くした先、

AIの能力が人類を超える「シンギュラリティ」(技術的特異点

への恐れが、ベースになっているのですね。

機械が意思を持つようになったら、

機械は自らの判断によって、人類を根絶やしにしようとするのでは?

という不安はターミネーターをはじめSF作品でおなじみのテーマです。

 

あるいは自国ファーストという考え方。

ロミュラン星人の母星に近い恒星が超新星爆発を起こし、

彼らが滅亡のふちに至ったときに、

救助しようというピカード人道主義は、

惑星連邦の加盟国から反発を受けます。

これは中東からの難民対応で、加盟国の間で温度差のある

 EUの問題を反映しているようです。

 

スタートレックは未来を舞台に、

現代の諸問題を扱うドラマってことですね。

ちなみにいまから45億年後に地球が属する銀河は

別の銀河と衝突し、いまから60億年後には太陽は燃え尽きるそうです。

そのとき人類はどうなってるんでしょう。

え? コロナで大騒ぎしてるときに、

そんなことどうでもええて?

ほんまですねえ。