うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

冒険日本号

今日は13日の金曜日ですね。

ずっと気の滅入るニュースが続いています。

そんななか、ぼくには小さい喜びがありました。

いまの住まいに引っ越す前に、

400冊以上のマンガを処分したのですが、 

その一部、20冊ほどが物置から出てきたんです。

これだけは捨てられないと残していたようです。

残したことすら忘れていました。

 

その中の一冊がこれ。

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SF海洋コミックと銘打ってますねえ。

昭和56年5月1日発行、450円。

当時にしては高かった。

 

小沢さとるのマンガが大好きだったんです。

絵がうまくて、登場する艦船、兵器がかっこよくて、

話のスケールが壮大で。

この作品も、相続した1兆円を元手に、

世界から国境をなくして平和にするという

理想に燃えた少年、日本太郎が主人公です。

太郎は技術の粋を集めた日本号を建造して、

仲間を集めていきます。

日本号は空も飛べて海に潜れて宇宙にも行ける空母。

ありえない超兵器なんです。

あの高度成長の時代には、無邪気にこういう大がかりな夢を

見ることができたのですね。

 

ただ小沢さとる作品の多くに共通することですが、

想像力が豊かで大風呂敷をいっぱい広げられるのに、

それをしっかりとりまとめ上げて終わらせることはなくて、

(たぶん本人が途中であきちゃう?)

最後はいつも投げ出したようにあっけなく終わるか、

フェードアウトしてしまいます。

そこが子ども心にも残念でした。

 

小沢さとるといえば「サブマリン707」が代表作でしょう。

小学生のときは「少年サンデー」に連載されてるのを

夢中で読んだものです。

 

 その頃、同級生の裕福な家の友だちは

月刊誌「冒険王」を購読していました。

付録がすごかったのもうらやましかったけど、

そこに連載されてた小沢さとるの「少年タイフーン」とこれ、

「冒険日本号」が読みたくってしょうがなかったです。

(なぜか貸してほしいと頼む勇気はなかったみたい)

 

やがて大人になって小沢さとるの潜水艦マンガ

「サブマリン707」「青の6号」を

単行本で買いそろえました。

そして「冒険日本号」の単行本も。

これを見つけたときはうれしかったですねえ。

ぼくにとってはリアルタイムで読めなかった幻の小沢さとる作品です。

残念ながら1巻だけで2巻は買えませんでした。

品切れになったのか、発刊中止になったのか……。

 

「サブマリン707」などは処分したけど、

(ほかに松本零士宮崎駿、「パタリロ」とか少女マンガ多数も)

これだけ残しておいたというのが、ぼくのこだわりだったのですねえ。

引っ越しから20数年たって再会できて、

いま懐かしい気持ちでいっぱいです。