うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

時代小説の楽しみ

父の残した蔵書のタイトルです。

時代小説のアンソロジーで、

第一巻は「秘剣、豪剣、魔剣」

いわゆる剣豪小説を集めた短編集ですね。

 

小説のタイトルの裏に作家の略歴が記されていて、

みなさん一流大学卒ばかりのなか、

池波正太郎って小学校卒? と最初に驚きました。

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塚原卜伝上泉伊勢守信綱、宮本武蔵佐々木小次郎

平手酒造、荒木又右衛門、沖田総司……などなど、

伝説の剣豪・剣客が登場して、

どの小説も面白いです。

なかなか発見が多くて。

 

たとえば――

 

塚原卜伝武田信玄の招聘を受けて

甲斐の国を訪れたときは百人余の家来を従えていたそう。

(卜伝最後の旅/池波正太郎

 

佐々木小次郎宮本武蔵と舟島で仕合いをしたのは、

実は69歳の老人になっていたとき。

武蔵は元気盛りの29歳。

(真説 佐々木小次郎五味康祐

 

山田浅右衛門、通称首斬り浅右衛門で有名な山田家は、

刀の鑑定で生活を立てていて、首斬り役ではあったが、

禄のない浪人だった。

収入のもう一つは、科人の脳や肝をとって、薬をつくること。

浅右衛門の薬は有名でかなり高価で売られていた。

(項の貌/渡辺淳一

「項の貌」は「うなじのかお」と読みます。

 

なんてことがいっぱい出てくるんで、

もう少し詳しく紹介したいんですけどね。

今度またエネルギーのあるときに書いてみたいと思います。

 

手にずっしり重い、分厚い本で、装丁も立派(定価1600円)。

いまパラパラと読み返してみると、

どんな話やったかもう忘れてますけどね。

 

本の奥付を見ると、1990年発行となっています。

それは父が亡くなる前年なので、

果たして病床にあった父は最後まで読めたのかどうか。

息子が読了するなら多少の供養になるかな、

なんて考えています。