うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

覚めても雨

ああ、眠い。

田舎の農作業小屋のようなところで、

吉田拓郎が弾き語りをしてる夢を見ました。

お客さんは10人もいないんですけど、

田んぼのあぜ道とかに体育座りをしてポツポツ聴いています。

さすが有名なアーティストは、人も場所も関係なく、

催したらいつでもどこでも、うたわはんにゃなあ

とぼくは感心してました。

 

それに雨が降ってきて、しかも土砂降りになっても、

吉田拓郎はやめないんです。

あまつさえ小屋を出て田んぼの真ん中でうたう始末です。

あああ、ギターがずぶぬれでも弾いてはる。

もったいないなあ、傷んでしまうやん

とぼくは心配してます。

居合わせたお客さんと、

あのギターはどこのなんていうギターやろと

あてっこしたりしながら。

そのうち別のミュージシャン数人がやってきて、

演奏に加わろうとします。

キーボードがあればよかったのにとか言いながら。

 

ぼくは急に興味を失って、裏の土手のようなところに、

不安定なはしごを使って登っていきました。

10メートル近い高みへ。

なんとか登りきると、上がってきた人へのご褒美なのか、

小さな手提げの紙袋をもらいました。

まだ体が不安定だったので、上にいた小学生が

代わりに受け取ってくれたのはいいけど、

中にあったお茶を勝手に飲んでしまいます。

おいおい、なんでやなあ

と文句を言いつつ、登り切ったその先を見たら、

大地は洪水に呑み込まれたように消え失せて、

ところどころ樹木が水面から先端をのぞかせています。

こっから先、どこに行けばええんやろ……

途方に暮れたぼくが目を覚ますと、

窓の外は雨でした。