うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

コードの話「雨のステイション」の巻

なかせさんは子どもの頃からピアノを習ってはって、

これがまた想像以上に上手でぼくはびっくりしたんです。

譜面を見て、すぐに弾かはるんですよね。

これは譜面の読めないぼくからしたらすごいことなんですけど、

あ、そこのコードきれいですね、なんちゅうコードですか?

と訊いたら、知らないって返事なんです。

 

ピアノのレッスンではコードを習わなかったそうで、

ギターみたいにコードだけ見て伴奏するなんてことができないんですって。

あれだけ弾けるのに、簡単なコードのアルペジオみたいなんもできんって、

信じられませんでした。

譜面があると弾けて、ないと弾けなくなるというのも驚き。

ソフトウェアがないと動かない自動機械のようです。

 

一方、なかせさんはユーミンのメロディーを覚えるのが苦手で、

それはコードがわからないこととリンクしてるのではと最近思うんです。

なかせさんが苦手そうなメロディー、たとえば「雨のステイション」

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これ、キーがGmaj7で、出だしの「あたらしい」ってとこのメロディーは

和音をそのまんま鳴らしたソ・シ・レ・ソ♭・レ、ですね。

ユーミンのキーはAmaj7、ハイファイセットはDmaj7)

だけど、そのまんまじゃ面白くないから、コードはCmaj7.にしたのでしょう。

これってカーペンターズ「Close to you」がキーはGmaj7なのに、

C9から始まるのと似ています。

 

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       (すみません! Cmaj7とGmaj7のところ書き間違いしてます)

作曲するときに、たららんとGmaj7を弾いて、

コードにある音をうたいながら、コードとハモりながら、

伴奏をつけていった感じが想像できます。

サビの「雨のステイション」とうたうところがGmaj7、

そこから「会える気がして」「会える」からCmaj7になって、

「気がして」「が」のところでBm7。

これはラの音で、Bmに対してちょうどセブンス。

ここをBmのコードを弾いてうたうと、きれいにハモれるんですね。

それがとても気持ちよくて、もうBm7は必然だろうと思うんですけど、

コードを感じずに、ただメロディーだけ素でうたうと、

単に変わったメロディーってだけになると思うんです。

 

なかせさんは弾き語りをほとんどしないので、

楽器が鳴らすコードとハモるという感覚がない。

だから必然的にコード感を大事にしているユーミンのメロディーは

覚えにくいのかな、というのがぼくの推理です。

 

40年以上前でしたか。

「暮らしの手帖」に作曲家の服部良一が連載ページを持っていて、

そこで音楽界に登場したばかりの「荒井由実」を絶賛していました。

コード進行がありきたりじゃない、工夫している

と。さすが大作曲家、すごいって思いましたね。

今日の日記を書いていて、そんなことを思い出しました。