うめなかには「練習中」という赤色のファイルがあって、
そこに何十曲も新曲予備軍が入っています。
やりたい曲はいっぱいあるけど、
やる気と技量が足りなくて実現できないんです。
最後にみのさんにお会いした3月の府庁ライブのとき、
みのさんがおっしゃった言葉で印象的だったのは、
俺、もうやりたい曲ないねん
というもの。
それはやりたい曲がなくて残念だという意味だったのでしょうか。
ぼくらやりたい曲がいっぱいあるんです
と言うと、
ええな
と、おっしゃった気がします。
それはうらやましいという意味だったのでしょうか。
俺も昔はそうやったわ
ってことなのでしょうか。
あのときみのさんはどういうお気持ちでそうおっしゃったのか
ずっと考えています。
みのさんのように音楽活動を続けてこられたら、
自分なりにやりきった、もう満足だと思えるときがくるのか――
あるいは音楽は生きる意欲と連動しているものなのか――
どうなんだろうと考えてしまうのです。
見るべきほどのことは見つ
と言って海中に身を投じた平知盛のことを思い出します。