うめはらなかせは譜面台を真ん中に立てて演奏します。
歌詞が覚えられないというのと、
ぼくの場合はコードも覚えられなくて、
毎回歌詞カードに書かれたコードを見ながら、
へ~、こんなコード進行になってるんやと、
驚きながらギターを弾いてます。
こんなこと昔では考えられないですよねえ。
ぼくが若い頃は、歌詞を見ながらうたうなんて邪道も邪道、
試験でカンニングするくらいだめなことでした。
いまでも譜面台を立てて演奏することに批判的な方は多くおられます。
とくにロック系のファンなど、
譜面台を見ながらうたってる
ロックシンガーはいない
それなのにフォークのやつらは……
みたいな言い方をされます。
ほんと歌詞が記憶できるってすごいことだと思います。
沢田研二なんかもう70歳以上?
それなのに全曲覚えてるのには頭が下がります。
さらにラッパーの人なんて、
どうやってあんなに長い歌詞が覚えられるんだろって思いますよね。
歌詞というより、もはや長ゼリフです。
で、譜面台の話に戻すと、これ、ぼくが初めて見たのが吉田拓郎でした。
このスタイルは日本史の中の織田信長くらいのインパクトがありましたね。
(いまでは織田信長の革新性を否定する研究者が多いようですが)
そもそも譜面台以前に、座って演奏するスタイルが新しかった。
クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングが、
横一列に並んで座って演奏してる写真がありますけど、
ああいう海外ロックアーティストにヒントを得たのでしょうか。
吉田拓郎の新しいステージングには、
あ、椅子に座って、
歌詞を見ながらうたってもええんや!
ありなんや!
という驚きがありました。
もうひとつ驚いたのはエレキギターなのにカポタストをしてること。
これも吉田拓郎の演奏で初めて見ました。
ありえない! って思いましたね。
フォークギターじゃないんだから。
でも、これでいいじゃないかってことなんですよねえ。
こんなふうにそれまでの常識を全部
ひっくり返してしまったのが吉田拓郎でした。
残念ながらこういったことについて、
本人がどう語っているのか、ぼくは知りません。
あるいは吉田拓郎以前にも先駆者がいたのかもしれません。
ご存じの方はワタシニデンワシテクダサイドウゾヨロシク!