ライブの前はいつもイライラしてるんですよねえ。
とくに出かけるとき、そして会場に着くまで。
ああ、めんどくさい、なんで自分はこんなことやってるのかと
強い後悔の念に襲われます。
練習のほうがどれだけ楽しいかしれません。
とくに仕事が詰まってるとき、このイライラは募るわけです。
プロでもないんだし、逆にお金を使って出演させてもらうわけで、
人前で下手な演奏をすること、失敗して己の恥をさらけ出すことに
なんの意味があるのかとすごく疑問がわいてくるんです。
そしたら新聞に渡辺京二って思想史家がこんなことを書いてました。
これはプロについての話なんですが……
しかしまたまた一方、プロは自分のやっていることに疑いを持たず、
自分の知識や技芸を生の原点から遊離させる危険に陥りがちなのです。
なぜ自分はこんなことをやっているんだという疑念を失うとき、
出来上がったくさみが生じます。
これを読んだとき、「出来上がったくさみ」という表現に、
なるほどと膝を打ったんですね。
ぼくらアマチュアバンドにも
「出来上がったくさみ」は無縁じゃない気がします。
それはMCや演奏の端々に感じられたりします。
もちろんまったくそれを感じさせないバンドもあります。
というか、ふだんのライブではそういうバンドのほうが多いかも。
うめなかは次々といろんな新曲に手を出して
そもそも「出来上がらない」わけで、
「くさみ」も出ようはずがないのですけれど、
それでも10年やっていて、知らぬ間に、
どこかしら匂ってたら恥ずかしいなと思います。
ライブに行くとき、なんで自分はこんなことやってるのか
と激しく後悔するうめはらは、実はまともな奴なんじゃないかと、
このごろは思えてきました。